Jazz & Drummer カリスマブロガー成田豊志氏のジャズレビューブログ 2014年9月8日 Carl & Alan Maguire / The Sound Of Music Carl Maguire(Ds) Alan Maguire(B) Donald Brown(P)2,3,6,7 Kirk Whalum(Ts)3,6,7 Tom Williams(Tp, Flh)2,3,7,8,9 Don Aliquo(Ts, Ss)1,2,3,4,5,7,8,9 Keith Brown(P)1,4,5,8,9 Ekpe Abioto(Per)2,3,5,7 Nygel Yancey(Per)2,3 Rec. May 29, 2014, Memphis, TN (自主製作)
ボビー・ハッチャーソンの「Pomponio」、レニー・ホワイトの「L's Bop」、キース・ブラウンの「Lady in Jazz」、ジョー・ヘンダーソンの「Inner Urge」、成田為三の「浜辺の歌」、日本の歌の「さくら」、スタンダードの「Softry as in a Morning Sunrise」「The Sound of Music」「Speak Low」で全9曲。うち6曲のアレンジはドナルドが担当している。
まずは「Softry as in a Morning Sunrise」でスタート。かつてジョンスコがやっていたようなアグレッシブなバージョンだけど、カールとアランはアマチュアの範疇を越えた素晴らしいプレイをしているし、共演者もそれに輪をかけて本気モードでガツンといっていて、早くも凄いことになっている。
3曲目はアルバムタイトルにもなっている「The Sound of Music」。この曲も軽いラテンタッチというか8ビート調の演奏だけど、単に爽やかなだけには終わっていないドン・アリクウォのソプラノがいい味わいを醸し出している。その楽器の音色が太いのはデイヴ・リーブマンあたりとも共通するね。
4曲目はチック・コリアの「The Griffith Park Collection(82年)」の1曲目に収録されていた「L's Bop」。当時はこの曲が大好きだったので、もうやっているだけでも嬉しいのだが、その演奏がまたオリジナルと比較しても遜色なく素晴らしい(テーマの終わりのキメの部分なんかはオリジナル以上にバッチリ決まっている)のだからノリノリになってしまう。アドリブ奏者は各人とも素敵なプレイで聴かせてくれるし、ここにきて初めて8バースや最後の方でダイナミックなソロをとっているカールのテクニックも申し分がない。確かオリジナルもそうだったと記憶しているので、この曲に関してはフェードアウトになっていても気にはならない。