ディスク•ユニオン商品レビュー by Takashi Yamamoto

4月のJazzahead(ブレーメン)でもらったCDをまだ全部聴ききれていない。膨大にあるので少しづつ聴いているという感じだ。
なかなかいいなあと思ったのがこれだった。
1曲目でボビー・ハッチャーソンの「Pomponio」をやっている。オリジナルは『Ambos Mundos』(Landmark)の1曲目に収録されていてラテン熱の高い超クールな演奏。ほぼそれを踏襲した形でやっていて刺激的。ボクはこのCDを知った日から誰もいない朝のオフィスで大音量で何度も何度も聴いているが、朝からテンションあがりっぱなしで困ってしまっている。
それから8曲目の「Lady In Jazz」はキース・ブラウンの曲。
「カルム」な雰囲気を感じさせてくれるとてもいい曲だ。教えてくれてありがとうと言いたい。
キース・ブラウンはこのCDのプロデューサーであるドナルド・ブラウンの息子だ。フランスのSpace TimeからもCDが出ている。「朝日のごとく爽やかに」とか「スピーク・ロウ」とかジョー・ヘンダーソンの「インナー・アージ」なんていうのもやっている。若いのに渋い選曲だぞ。ドナルド・ブラウンはじめ、カーク・ウェーラム、トム・ウィリアムスなどのベテランがしっかりと脇をかためているのもいい。
ところでこの作品のリーダーというのがこのジャケに登場しているカール&アレン・マクグアイヤだ。双子である。若い、まだ20歳だ。先日オフィスに来て会話を楽しんだが、どちらがどちらか最後までわからなかった。東京で生まれて香港で育つ、その後メンフィスでジャズに開眼というヒストリーをもつ(詳しくはホームページ www.carlalanmaguire.com)。
なかなかいい感じのハードバップです。なんか50年代というより80年代前半ごろのアメリカのハードバップという感じなか、ボク好きです。(山本隆)
なかなかいいなあと思ったのがこれだった。
1曲目でボビー・ハッチャーソンの「Pomponio」をやっている。オリジナルは『Ambos Mundos』(Landmark)の1曲目に収録されていてラテン熱の高い超クールな演奏。ほぼそれを踏襲した形でやっていて刺激的。ボクはこのCDを知った日から誰もいない朝のオフィスで大音量で何度も何度も聴いているが、朝からテンションあがりっぱなしで困ってしまっている。
それから8曲目の「Lady In Jazz」はキース・ブラウンの曲。
「カルム」な雰囲気を感じさせてくれるとてもいい曲だ。教えてくれてありがとうと言いたい。
キース・ブラウンはこのCDのプロデューサーであるドナルド・ブラウンの息子だ。フランスのSpace TimeからもCDが出ている。「朝日のごとく爽やかに」とか「スピーク・ロウ」とかジョー・ヘンダーソンの「インナー・アージ」なんていうのもやっている。若いのに渋い選曲だぞ。ドナルド・ブラウンはじめ、カーク・ウェーラム、トム・ウィリアムスなどのベテランがしっかりと脇をかためているのもいい。
ところでこの作品のリーダーというのがこのジャケに登場しているカール&アレン・マクグアイヤだ。双子である。若い、まだ20歳だ。先日オフィスに来て会話を楽しんだが、どちらがどちらか最後までわからなかった。東京で生まれて香港で育つ、その後メンフィスでジャズに開眼というヒストリーをもつ(詳しくはホームページ www.carlalanmaguire.com)。
なかなかいい感じのハードバップです。なんか50年代というより80年代前半ごろのアメリカのハードバップという感じなか、ボク好きです。(山本隆)
Jazz & Drummer by Toyoshi Narita

Jazz & Drummer カリスマブロガー成田豊志氏のジャズレビューブログ
2014年9月8日
Carl & Alan Maguire / The Sound Of Music
Carl Maguire(Ds)
Alan Maguire(B)
Donald Brown(P)2,3,6,7
Kirk Whalum(Ts)3,6,7
Tom Williams(Tp, Flh)2,3,7,8,9
Don Aliquo(Ts, Ss)1,2,3,4,5,7,8,9
Keith Brown(P)1,4,5,8,9
Ekpe Abioto(Per)2,3,5,7
Nygel Yancey(Per)2,3
Rec. May 29, 2014, Memphis, TN
(自主製作)
当ブログでアマチュアのミュージシャンのCDを取り上げるのはこれが初めてなのだが、双子の兄弟であるカール&アラン・マグワイアの母親が実は隣町の出身で、7月に2人を連れてきて行った地元のライブを観たら、18歳とは思えないようなプレイをしていたので、本作をレビューする気になった次第。ドナルド・ブラウン、カーク・ウェイラム、キース・ブラウン(ドナルドの息子、「Keith Brown / Sweet & Lovely(11年)」別頁あり)といった一流どころが参加(プロデュースはドナルドが担当)。またメンフィスのArdent Studiosという本物のスタジオで録音されていて、単にアマチュアがCDを作ってみたというレベルを超えたレコーディングとなっているのだが、カールもアランも今秋に大学二年生になったばかりで、まだプロとして活動しているわけではないので、今回はCDを聴いた感想だけに留めておいて、採点については割愛させていただくことにする。ちなみにベースとドラムスの双子の兄弟といえば、フランスのムタン兄弟(フランソワ&ルイ、「Moutin Reunion Quartet/Something Like Now(05年)」「Moutin Reunion Quartet/Sharp Turns(07年)」「Moutin Reunion Quartet/Soul Dancers(10年)」「Moutin Factory Quintet / Lucky People(13年)」各別頁あり)がすぐに思い浮かぶ。
ボビー・ハッチャーソンの「Pomponio」、レニー・ホワイトの「L's Bop」、キース・ブラウンの「Lady in Jazz」、ジョー・ヘンダーソンの「Inner Urge」、成田為三の「浜辺の歌」、日本の歌の「さくら」、スタンダードの「Softry as in a Morning Sunrise」「The Sound of Music」「Speak Low」で全9曲。うち6曲のアレンジはドナルドが担当している。
まずは「Softry as in a Morning Sunrise」でスタート。かつてジョンスコがやっていたようなアグレッシブなバージョンだけど、カールとアランはアマチュアの範疇を越えた素晴らしいプレイをしているし、共演者もそれに輪をかけて本気モードでガツンといっていて、早くも凄いことになっている。
2曲目は「Pomponio」。パーカッションも加わってのラテンタッチな演奏だけど、これもまた実にいい塩梅。カールとアランはこういうリズムにもきちんと対応できているし、ソロイストではトム・ウィリアムスの華のあるトランペットが曲調にもよくマッチしているね。またドナルドの唸りながら弾いているピアノもテンションが高くて聴き応えがたっぷり。ただし1曲目も2曲目もフェードアウトで終わっているのは疑問点。アルバムの収録時間が約58分と、そんなに長いわけではないので、できれば最後まできちんと入れてほしかった。
3曲目はアルバムタイトルにもなっている「The Sound of Music」。この曲も軽いラテンタッチというか8ビート調の演奏だけど、単に爽やかなだけには終わっていないドン・アリクウォのソプラノがいい味わいを醸し出している。その楽器の音色が太いのはデイヴ・リーブマンあたりとも共通するね。
4曲目はチック・コリアの「The Griffith Park Collection(82年)」の1曲目に収録されていた「L's Bop」。当時はこの曲が大好きだったので、もうやっているだけでも嬉しいのだが、その演奏がまたオリジナルと比較しても遜色なく素晴らしい(テーマの終わりのキメの部分なんかはオリジナル以上にバッチリ決まっている)のだからノリノリになってしまう。アドリブ奏者は各人とも素敵なプレイで聴かせてくれるし、ここにきて初めて8バースや最後の方でダイナミックなソロをとっているカールのテクニックも申し分がない。確かオリジナルもそうだったと記憶しているので、この曲に関してはフェードアウトになっていても気にはならない。
5曲目はアランのアレンジによる「さくら」。お馴染みの「さくらさくら」のメロディーをアランがシンプルに1コーラス奏でた後に全体演奏がスタートするけれど、コード進行を若干リハーモナイズしているおかげで、ジャズのバラードものとして十分に通用する演奏となっているね。これぐらいいい感じでできるのであれば、3分といわずにもっと長くやってほしかった。
6曲目は「浜辺の歌」。こちらの方は、最初は原曲のイメージどおりに穏やかに、途中からスウィンギーな4ビートに変化するけれど、これもまたジャズとしてちゃんと成立しているところに、アレンジ担当のドナルドのセンスのよさを感じる。後半はラテンタッチにも変化していて、実に楽しい演奏だね。
7曲目「Speak Low」はジャズロック的なものと、サンバ系、4ビートの複合。このアレンジも小洒落ているし、アリクウォ、ウィリアムス、ウェイラム、カールが熱演しているアドリブ部分からの倍テンの4ビートにも疾走感があって好感が持てる。
8曲目は父親のドナルドに負けないぐらいにピアノの上手さがきらりと光っているキース曲の「Lady in Jazz」。3/4拍子(6/8拍子かな)の軽快ながらもホットな演奏だけど、自分の曲だけあって、ここでのキースはますますいい感じで弾いているね。それに対するカールとアランのバッキングもなかなかのもの。
9曲目はカールのアレンジによる「Inner Urge」。オーソドックスな4ビート演奏となっているけれど、この曲は楽曲自体がカッコいいので、これ以上のアレンジは必要ないだろう。アドリブではアランが力強いソロで聴かせてくれるし、アリクウォのジョーヘンを思わせるテナーも、キースのアグレッシブなピアノも素晴らしいおかげで、ぐいぐい演奏に引き込まれてしまった。
といことで本作は予想をはるかに上回る出来栄え。録音もバッチリで、カール、アランやその母親と知り合いになれたという心情的なものを抜きにして、普段通りの聴き方をしても十分満足できる内容なので、予定を変更して採点させていただくことにする。それにしても本格的にジャズを習ってまだ2年ぐらいしか経っていないそうなのに、カールもアランもこれだけの演奏ができるのだから大したものだね。本人たちの才能もあるのだろうが、それに加えて音楽環境に恵まれている場所で育つことの重要性を再認識させられた。
評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
2014年9月8日
Carl & Alan Maguire / The Sound Of Music
Carl Maguire(Ds)
Alan Maguire(B)
Donald Brown(P)2,3,6,7
Kirk Whalum(Ts)3,6,7
Tom Williams(Tp, Flh)2,3,7,8,9
Don Aliquo(Ts, Ss)1,2,3,4,5,7,8,9
Keith Brown(P)1,4,5,8,9
Ekpe Abioto(Per)2,3,5,7
Nygel Yancey(Per)2,3
Rec. May 29, 2014, Memphis, TN
(自主製作)
当ブログでアマチュアのミュージシャンのCDを取り上げるのはこれが初めてなのだが、双子の兄弟であるカール&アラン・マグワイアの母親が実は隣町の出身で、7月に2人を連れてきて行った地元のライブを観たら、18歳とは思えないようなプレイをしていたので、本作をレビューする気になった次第。ドナルド・ブラウン、カーク・ウェイラム、キース・ブラウン(ドナルドの息子、「Keith Brown / Sweet & Lovely(11年)」別頁あり)といった一流どころが参加(プロデュースはドナルドが担当)。またメンフィスのArdent Studiosという本物のスタジオで録音されていて、単にアマチュアがCDを作ってみたというレベルを超えたレコーディングとなっているのだが、カールもアランも今秋に大学二年生になったばかりで、まだプロとして活動しているわけではないので、今回はCDを聴いた感想だけに留めておいて、採点については割愛させていただくことにする。ちなみにベースとドラムスの双子の兄弟といえば、フランスのムタン兄弟(フランソワ&ルイ、「Moutin Reunion Quartet/Something Like Now(05年)」「Moutin Reunion Quartet/Sharp Turns(07年)」「Moutin Reunion Quartet/Soul Dancers(10年)」「Moutin Factory Quintet / Lucky People(13年)」各別頁あり)がすぐに思い浮かぶ。
ボビー・ハッチャーソンの「Pomponio」、レニー・ホワイトの「L's Bop」、キース・ブラウンの「Lady in Jazz」、ジョー・ヘンダーソンの「Inner Urge」、成田為三の「浜辺の歌」、日本の歌の「さくら」、スタンダードの「Softry as in a Morning Sunrise」「The Sound of Music」「Speak Low」で全9曲。うち6曲のアレンジはドナルドが担当している。
まずは「Softry as in a Morning Sunrise」でスタート。かつてジョンスコがやっていたようなアグレッシブなバージョンだけど、カールとアランはアマチュアの範疇を越えた素晴らしいプレイをしているし、共演者もそれに輪をかけて本気モードでガツンといっていて、早くも凄いことになっている。
2曲目は「Pomponio」。パーカッションも加わってのラテンタッチな演奏だけど、これもまた実にいい塩梅。カールとアランはこういうリズムにもきちんと対応できているし、ソロイストではトム・ウィリアムスの華のあるトランペットが曲調にもよくマッチしているね。またドナルドの唸りながら弾いているピアノもテンションが高くて聴き応えがたっぷり。ただし1曲目も2曲目もフェードアウトで終わっているのは疑問点。アルバムの収録時間が約58分と、そんなに長いわけではないので、できれば最後まできちんと入れてほしかった。
3曲目はアルバムタイトルにもなっている「The Sound of Music」。この曲も軽いラテンタッチというか8ビート調の演奏だけど、単に爽やかなだけには終わっていないドン・アリクウォのソプラノがいい味わいを醸し出している。その楽器の音色が太いのはデイヴ・リーブマンあたりとも共通するね。
4曲目はチック・コリアの「The Griffith Park Collection(82年)」の1曲目に収録されていた「L's Bop」。当時はこの曲が大好きだったので、もうやっているだけでも嬉しいのだが、その演奏がまたオリジナルと比較しても遜色なく素晴らしい(テーマの終わりのキメの部分なんかはオリジナル以上にバッチリ決まっている)のだからノリノリになってしまう。アドリブ奏者は各人とも素敵なプレイで聴かせてくれるし、ここにきて初めて8バースや最後の方でダイナミックなソロをとっているカールのテクニックも申し分がない。確かオリジナルもそうだったと記憶しているので、この曲に関してはフェードアウトになっていても気にはならない。
5曲目はアランのアレンジによる「さくら」。お馴染みの「さくらさくら」のメロディーをアランがシンプルに1コーラス奏でた後に全体演奏がスタートするけれど、コード進行を若干リハーモナイズしているおかげで、ジャズのバラードものとして十分に通用する演奏となっているね。これぐらいいい感じでできるのであれば、3分といわずにもっと長くやってほしかった。
6曲目は「浜辺の歌」。こちらの方は、最初は原曲のイメージどおりに穏やかに、途中からスウィンギーな4ビートに変化するけれど、これもまたジャズとしてちゃんと成立しているところに、アレンジ担当のドナルドのセンスのよさを感じる。後半はラテンタッチにも変化していて、実に楽しい演奏だね。
7曲目「Speak Low」はジャズロック的なものと、サンバ系、4ビートの複合。このアレンジも小洒落ているし、アリクウォ、ウィリアムス、ウェイラム、カールが熱演しているアドリブ部分からの倍テンの4ビートにも疾走感があって好感が持てる。
8曲目は父親のドナルドに負けないぐらいにピアノの上手さがきらりと光っているキース曲の「Lady in Jazz」。3/4拍子(6/8拍子かな)の軽快ながらもホットな演奏だけど、自分の曲だけあって、ここでのキースはますますいい感じで弾いているね。それに対するカールとアランのバッキングもなかなかのもの。
9曲目はカールのアレンジによる「Inner Urge」。オーソドックスな4ビート演奏となっているけれど、この曲は楽曲自体がカッコいいので、これ以上のアレンジは必要ないだろう。アドリブではアランが力強いソロで聴かせてくれるし、アリクウォのジョーヘンを思わせるテナーも、キースのアグレッシブなピアノも素晴らしいおかげで、ぐいぐい演奏に引き込まれてしまった。
といことで本作は予想をはるかに上回る出来栄え。録音もバッチリで、カール、アランやその母親と知り合いになれたという心情的なものを抜きにして、普段通りの聴き方をしても十分満足できる内容なので、予定を変更して採点させていただくことにする。それにしても本格的にジャズを習ってまだ2年ぐらいしか経っていないそうなのに、カールもアランもこれだけの演奏ができるのだから大したものだね。本人たちの才能もあるのだろうが、それに加えて音楽環境に恵まれている場所で育つことの重要性を再認識させられた。
評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
WUMR FM91.7ラジオ、Jazz Lover Memphis

今週の特集CD: カール&アラン・マグワイア 「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」
2014年8月18日
レビュー: マルヴィン・マッセイ、ジュニア、
今週の特集CDは、明らかにメンフィスコネクションのアルバムだ。カール&アラン・マグワイアの「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」
18歳の一卵性双子のマグワイア兄弟は、カールがドラム奏者、アランがベース奏者。東京生まれ、香港育ち、現在アメリカで音楽を勉強している。彼らは有名ジャズアーティスト、カーク・ウェイラムの指導の下、メンフィスのスタックス・ミュージック・アカデミーでジャズに情熱を見いだす。その後、州立メンフィス大学でジャズを学び、もうすぐ有名ジャズアーティスト、准教授のドナルド・ブラウンに師事するためテネシー州立大ノックスビル校に転校の予定。
このフルアルバム制作は、この2人の若いミュージシャンの技術とジャズの感性に感銘を受けたドナルドのアイディア。母親でプロデューサーのマグワイア由紀子のたゆまぬ努力に加えて、ドナルドとカークの力を得て、このCDはプロフェッショナルでストレート・アヘッド、特集される価値があるものに仕上がった。
バンドは、カーク・ウェイラム、ドナルド・ブラウン(ほとんどの曲をアレンジ)、ドン・アリクォ、キース・ブラウン、トム・ウィリアムズなどを含むメンフィスミュージシャンのオールスタークルーで構成されている。タイトルであるクラシック映画「サウンド・オブ・ミュージック」(音楽の音色)のテーマ曲のアレンジは、ジャズという音楽が叶えることのできる音楽イノベーションの完璧な例である。
この2人は、若くして素晴らしいスタートを切っている。私たちは、世界じゅうに彼らの才能をシェアできることを喜ばしく思う。
2014年8月18日
レビュー: マルヴィン・マッセイ、ジュニア、
今週の特集CDは、明らかにメンフィスコネクションのアルバムだ。カール&アラン・マグワイアの「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」
18歳の一卵性双子のマグワイア兄弟は、カールがドラム奏者、アランがベース奏者。東京生まれ、香港育ち、現在アメリカで音楽を勉強している。彼らは有名ジャズアーティスト、カーク・ウェイラムの指導の下、メンフィスのスタックス・ミュージック・アカデミーでジャズに情熱を見いだす。その後、州立メンフィス大学でジャズを学び、もうすぐ有名ジャズアーティスト、准教授のドナルド・ブラウンに師事するためテネシー州立大ノックスビル校に転校の予定。
このフルアルバム制作は、この2人の若いミュージシャンの技術とジャズの感性に感銘を受けたドナルドのアイディア。母親でプロデューサーのマグワイア由紀子のたゆまぬ努力に加えて、ドナルドとカークの力を得て、このCDはプロフェッショナルでストレート・アヘッド、特集される価値があるものに仕上がった。
バンドは、カーク・ウェイラム、ドナルド・ブラウン(ほとんどの曲をアレンジ)、ドン・アリクォ、キース・ブラウン、トム・ウィリアムズなどを含むメンフィスミュージシャンのオールスタークルーで構成されている。タイトルであるクラシック映画「サウンド・オブ・ミュージック」(音楽の音色)のテーマ曲のアレンジは、ジャズという音楽が叶えることのできる音楽イノベーションの完璧な例である。
この2人は、若くして素晴らしいスタートを切っている。私たちは、世界じゅうに彼らの才能をシェアできることを喜ばしく思う。